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花博自然環境助成事業

調査研究助成事業 成果概要の報告

    
団体名(所在地) NPO法人日本高山植物保護協会〔山梨県〕
事業名 絶滅危惧種アンドンマユミの探索と生育域外保全
申請事業の概要 世界で檜枝岐村と北朝鮮のみの分布で、檜枝岐村での野生個体の生存が不明である、アンドンマユミの自生地の再発見、および26個体しか存在しない栽培個体の生育域外保全、さらにこれらのDNAによる遺伝的多様性の解析および至適栽培方法の確立と増殖。
事業の実施場所 1. 自生地の探索調査:福島県南会津郡檜枝岐村

2. 人工栽培、遺伝子解析用サンプル・種子の採取:福島県南会津郡檜枝岐村、 国立科学博物館附属筑波実験植物園、東京大学小石川植物園附属日光植物園、 高知県立牧野植物園

3. 遺伝子解析:福島大学共生システム理工学類

4. 種子の寄託先:環境省新宿御苑管理事務所
事業の実施期間 令和7年4月~令和8年2月
成果の要約

1. 自生地の探索調査

昨年度までの自主調査から、アンドンマユミの自生地の環境として、標高1,200m前後、冬は大雪で樹木を守り、夏は高温になりにくく、ある程度の日照のある沢近くの崩落地が候補となると考えられた。候補地エリアで人工堰堤などのない上流の沢を中心に探索。日光の入り具合や標高の点などで発見地の環境に近く期待感もあったが、コマユミ、オオツリバナなどニシキギ科の樹木は観察されたのみで、アンドンマユミは発見できなかった。

2. 栽培株の観察

1) 檜枝岐村 ミニ尾瀬公園の栽培株:2023年時点では全部で3株あったが、2024年10月には1株に減少し、2025年9月には全ての株が枯死していた。

2) 槍枝岐村 Hi 氏管理株:2023年時点では13株あったが、2024年10月9株に減少し、2025年9月6株に減少し、生育株のうち3株は衰弱していた。

3)檜枝岐村 Ho氏管理株:元々1株だが、樹勢があり。

 ① 国立科学博物館附属筑波実験植物園:2025年に実生株が3株あったが、2026年6月時点では1株が枯死した。他に挿木株数株あり。

 ② 東京大学小石川植物園附属日光植物園:檜枝岐村の平野氏より寄託されたアンドンマユミ10個体が小石川と日光で栽培されていたが、現在は日光の1個体のみが生存し、残りは枯死した。他に、挿し木された2個体と、今年度あらたに挿し穂が3つ作られた。

 ③ 高知県立牧野植物園:現存株は、2024年と同様、2株。

3. 遺伝子解析

マユミ由来SSR(Simple Sequence Repeat)マーカーの近縁種植物アンドンマユミとの遺伝的多様性解析を行った。その結果、20種類のうち6種類(30%)はアンドンマユミでも増幅したが、増幅した6種類については、解析した全ての個体の間でバンドの違いが見られず、多型は検出されなかった。

4. 種子の保存:筑波植物園及び牧野植物園で栽培している株から得られた種子をそれぞれ10粒ずつ、新宿御苑に寄託した。

5. 総 括(来年度以降に向けて):

  • 栽培株の数がここ数年の暖冬で大幅に減少し、樹勢も弱まっていることから、来年度、既存の栽培株の保護を手厚くする他、生存株の挿木、種子からの純培養など、域外生育株の増加がまずは重要である。
  • 現有の株は、多様性に乏しいため、やはり新たな自生地の探索による遺伝子の異なる自生株の発見は重要である。アンドンマユミの生育に適した候補地の中から、檜枝岐村の産地状況に詳しい平野村長のアドバイスも得ながら、自生地探索に努める。
    韓国·北朝鮮に自生するイトマユミとの相違を、遺伝子解析により明らかにする。
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