令和6年度助成事業 成果概要の報告
団体名(所在地) | 久保川イーハトーブ自然再生協議会〔岩手県〕 |
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事業名 | 久保川イーハトーブ世界生物相調査と目録作成、発表会 |
申請事業の概要 | 当協議会は、成立前の2007年から「久保川イーハトーブ世界」(久保川上流約10㎞)において都市大学院の研究者と共に、維管束植物、トンボ類、水生昆虫類、鳥類等の調査を実施。その総仕上げの調査を集中的に行ってリスト(目録)を作成し、フォーラム(発表会)を開催して当該地域の生物多様性の高さを発信する。 |
事業の実施場所 | 岩手県一関市萩荘・厳美地域 |
事業の実施期間 | 全体計画:令和 6年 4月~令和 7年 3月 |
成果の要約 | 当団体の活動地である岩手県一関市萩荘・厳美地域(久保川イーハトーブ世界)は、環境省の「生物多様性重要里地里山」や、岩手県の「生物多様性上重要な地域」などの認定を受けている。また、同地内、当団体の自然再生実践地である知勝院境内は、寺院として初めて環境省から自然共生サイトの認定を受けている。 上記の通り、生態系や生物多様性、特に里山環境の保全・再生に関わる分野において、当団体及び当地域の認知度は上がってきたと実感している。一方で、地元地域をはじめ、地元行政には当団体の活動及びその重要性があまり認知されていない。ネイチャーポジティブなど、生物多様性回復に向けた新しい国際目標への貢献に向け、当団体が行う自然再生事業は、地元行政をはじめとする企業や教育機関など、より多様な主体との連携を深める必要性が高まっている。 今回の事業の一つは、2012年以来となる当地域における生き物リストの更新である。年度末にはリストを製本するという目標を掲げ、事業年度を通じて当団体及び専門家参加の集中的なモニタリング調査を実施した。2012年以降もリスト更新にむけて情報の蓄積を行ってきたが、今年度は特に多くの情報を野外から収集できた。今後は製本したリストを地元メディアなどから発信していただき、データ化も行ってネット上で閲覧できるようにする予定である。当地域には地元特有の自然環境が残されており、自然科学分野の研究フィールドとして特化している。実際、大学研究室や企業に研究フィールドとしての提供を行っており、そのうえで当地域の自然環境に関わる基礎的な情報を集積している生き物リストは大いに活用できる。 リストの作成は結果的に発表の舞台へ繋がり、市民を対象としたフォーラムの開催、講演内容の質向上となった。フォーラムを通じて地元地域と行政に大きくアピールできた。 |