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花博自然環境助成事業

令和4年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) ウミガメネットワーク三重〔三重県〕
事業名 第二弾 ウミガメを本物で伝える
事業の実施場所 四日市市から津市までの小中学校、幼稚園、保育園、公民館、学童保育所等
事業の実施期間 今回計画 :令和4年4月~令和5年2月 (助成対象期間)
事業の概要 当会はウミガメを保護する団体である。主にウミガメの卵や子ガメを保護しているが、活動範囲の海岸にウミガメ(成体)の死体が頻繫に打ちあがるため死体の調査や研究も行っている。その死体をプラスチネーション標本にし、ウミガメ出前講座では受講者にわかりやすく説明したいと考える。
成果の要約

1.三重県総合博物館で冷凍保存してあったアカウミガメの頭部と四肢をプラスチネーション標本にするために、吉田生物研究所に届けた。

2.6月初めにプラスチネーション標本が完成し、引き取りにいった。

3.毎年4月に四日市市、鈴鹿市、津市の市教育委員会等の行政機関を通して市内の全部の公立幼稚園、公立小中学校、公立保育園に出前講座のチラシを配布し、出前講座のPRをしている。

4.毎年、ウミガメ出前講座の受講依頼を頂ける学校もあるし単年度だけのこともあるが、2022年度(令和4年度)は28ヶ所からウミガメ出前講座の依頼を受け、講座を33回実施した。

ウミガメ出前講座は、通常次のメニューで行う。

①ウミガメ紙芝居「アカウミガメがあぶない」

②地元で撮影したウミガメの産卵動画と子ガメが海へ帰る動画の上映。

③ウミガメの標本見学

高等学校や大学で実施する場合は①をパワーポイントに切り替えることもある。

5.出前講座の実施場所が広い時は、今年度制作したアカウミガメ頭部と四肢のプラスチネーション標本を持参し、受講者に見学してもらった。実施場所が狭い、或いは受講時間が短い場合は今年度制作したプラスチネーション標本は持参しなかった。

6.ウミガメ出前講座では、約半数の場所でウミガメの頭部と四肢のプラスチネーション標本を受講者に見てもらった。

7.また環境イベントである、つ・環境フェスタやみえ環境フェアにも参加し、多数の標本を並べた。2回とも広い場所があったため、多くの来場者に見てもらえた。

・標本見学者からの感想は、「ここに爪がある」と言って脚の標本を触る子や「頭のてっぺんの模様はこんなんやったんや」と頭の鱗板を指で触る子がいた。また、頭部の標本を帽子のように自分の頭の上に載せる子もいた。

・今回制作した頭部と四肢のプラスチネーション標本は、背甲や腹甲のプラスチネーション標本と同一個体の別の部位なので、背甲のプラスチネーション標本と並べてみたり、四肢のプラスチネーション標本を背甲のプラスチネーション標本に近づけてみたりしていた。

・生きているウミガメを実際に間近で見る機会は少ないが、死んで標本になったウミガメであれば、安心して触ることができる。そのためじっくり観察できるし、生きているウミガメの動画を見た時に どの部分が動いているのかよくわかる。

・当会はウミガメ頭部の骨標本も所有しているので、頭部のプラスチネーション標本と頭部の骨標本を見比べて、どこから首なのか、首には頸椎しか骨がないことを説明できた。

・頭部のプラスチネーション標本には眼球が残っていないが、ウミガメの目は比較的大きい。塩類腺という体内の塩分濃度を調整する機関が、目の奥にあることをプラスチネーション標本と骨標本で説明できる。

・プラスチネーション標本は全体を観れるし、骨標本は細かく各部を内側と外側から観れる。その特性を活かして、より深く観察できる。

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