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花博自然環境助成事業

平成30年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 奈良学園高等学校SS研究チーム〔奈良県〕
事業名 地下探査の研究成果を用いたラン科サギソウ群落の保全
事業の実施場所 奈良学園高等学校学校林
事業の実施期間 平成30年4月~平成31年2月
事業の概要 構内のただ一カ所の湿地に自生する環境省基準絶滅危惧種(県では絶滅寸前種)指定のラン科サギソウ群落は、常に大雨による流失や湧水の枯渇による消失の危機にさらされている。そこで、高校生が地下水脈の位置を探査して井戸を掘削し、ソーラー発電で地下水を汲み上げる、新しい恒久的な湿地整備事業を申請する。
成果の要約

1.本事業の最大の成果は、予定の機器類を備えて、ソーラー発電による井戸の汲み上げテストを終えることが出来たことである。昨年7月9日の豪雨と9月4日の台風21号の襲来により、現サギソウ群落の結果数が41果という壊滅的な打撃を受けたため、現サギソウ群落の再生作業を優先せざるを得なくなり、新しく整備した湿地へのサギソウの移植ができなかったことは残念である。
2.現サギソウ群落再生のため、サギソウの種子を採取し、「殺菌剤添加培地法による無菌播種」を行った所、順調に新しい個体が成長してきているので、これを数百個体に増やし、現サギソウ群落と、新しい湿地に移植を試みる予定である。
3. 井戸から汲み上げた水を使い、7・8月の渇水期に、新しい湿地を維持できるよう、この時期に最大発電効率が得られるソーラーパネル設置角と方位角の研究を続け、できるだけ早い時期に本運用を開始したい。
4.2番目の成果は、「地下探査グループ」と「ラン研究グループ」の協働研究に、「環境指標グループ」も加えた15名(3年生が1学期で引退したため)が助け合い、豪雨と台風被害で崩壊した湿地を再生したことである。今まで、個別に研究をしていた生徒達が1つの目標に向かい協働したことは、主体性を持って多様な人々と協働するグローバルマインドの育成に大きな成果をもたらすことができた。

シミュレーション02 シミュレーション01 サギソウ殺菌培地 サギソウ開花