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花博自然環境助成事業

平成28年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 滋賀県立琵琶湖博物館はしかけグループびわたん〔滋賀県〕
事業名 公園を学びの場とした学習プログラム開発と実施
事業の実施場所 滋賀県立近江富士花緑公園
事業の実施期間 平成28年4月~平成29年3月
事業の概要 公園での活動を通じて、日常の生活の中で自然との関わりや文化への意識を高められるような体験学習の機会を提供することを目指す。目的を持った公園利用を通じて、人と自然とのつながりを深めていける活動を行う。
成果の要約

そばの種まき、収穫、製粉、蕎麦打ちと4回に分けて、春-15名、秋-19名に実施したことで、植物の成長過程と食へのつながりについて体験してもらうことができた。また、栽培時の管理が比較的簡単で、成長が早いそばの特性を活かし、圃場と同時にプランターにも種まきをしてもらい、各家庭で栽培してもらった。これは、前年度に試行的に実施した際に、「そばの花が楽しみ」「どんなふうに育つのかが見たい」などと参加者より意見をいただいたものを反映させて実施したものである。公園での実施では、種まきの次が収穫となってしまうため、そばの成長過程を観察することができなかった。この問題を解決するために新たに企画し、観察の記録を残すことと、他の参加者とも共有できるように観察日記も記入してもらった。これらの一連の活動により、植物に触れる体験、食を通じて自然や文化に関わる経験の場を提供し、日常の暮らしの中で自然との共生に関心を持つこと、自然への愛着と関心を育むきっかけづくりになったのではないかと言える。また、古民家を会場として昔の道具を使いながら、年配の方と一緒に実施できたことで、昔の暮らしや生活の知恵などを共有することにもつながったのではないだろうか。世代も興味関心もさまざまな人々に対して、楽しい体験学習の場を提供し、公園や自然への関心と愛着を引き出し、地域環境や食文化に対して興味関心を引き出すことにもなったのではないかと考えている。
参加者の想いや意見を常に意識し、日常的にプログラムの改善をおこなっていくことは、スタッフが利用者視点の重要性を気づくことにもなった。自分たちのねらいや企画がどのように評価されているか。また、ねらいの達成に向けて自己評価することを意識的におこなったことと、植栽について専門家からの研修を実施したことで、スタッフの知識や技量を向上させることができ、参加者主体の事業展開へと意識改革に一役買うことができたと実感している。
本助成事業を実施したことで、公園という場の新しい可能性を実感することができた。事業で得られた成果から、今後は単体のプログラム参加で終わらせるのではなく、公園全体で一日過ごしてもらえるようにするための取り組みへと発展させることが必要であると考えている。

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