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花博自然環境助成事業

平成27年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 特定非営利活動法人くすの木自然館〔鹿児島県〕
代表者 代表理事 浜本 奈鼓
事業名 重富海水浴場内の松林(防潮林)の維持保全活動
事業の実施場所 重富海水浴場(鹿児島県姶良市平松)
事業の実施期間 平成27年4月1日~平成28年3月18日
事業の概要 防潮松として、集落に隣接する重富海水浴場内にある松林を、美しい白砂青松の景勝地にふさわしく保全し、利用者に愛される海岸として維持していくため、集落全体での年二回の保全活動と、当法人による毎日の清掃活動と松葉かきを実施している。
成果の要約

そもそも重富海岸は、「重富海水浴場」として昔から住民に親しまれ利用されてきた。

防潮林としての松林が整備されてからは、その景観も含め大切にされてきた歴史がある。しかし、近年の生活の多様化により、徐々に海岸を訪れる人が減少し、20年程前は「荒れた海岸」として海水浴場シーズンでも訪れる人が少なくなってしまった。

そういう海岸を、地域住民と当法人の協働で美しい姿を取り戻したという実績がある。現在もその保全活動は継続しているが、そのための公的な予算もなく(年1回の錦江湾クリーンアップ作戦以外)、地域住民やボランティアの善意に頼らざるを得ない状況である。

そんな中、この度の事業により、松林の保全の為の清掃道具一式を買いそろえることが出来、そのことによって今まで以上の清掃活動参加者を呼び込むことが出来たのである。
同時に年間の活動として、地域住民への更なる啓発としての山野サロンを開催。一時的ではない保全の取り組みを再認識してもらうことが出来た。

また、姶良市周遊観光バス「あいらびゅー号」との連携により、過去には「松葉かき」や「お月見バス」などを実施してきたが、今年度は重富海岸にて「満月カフェ」を開催することとなった。国立公園であり錦江湾奥で唯一残った松林の海岸で、なおかつ今年はブルームーンと呼ばれる満月で、豊かな自然を体感していただくことが出来た。

また年明け、元旦には「初日の出を拝む会」を地元自治会と協働で企画し、今年は快晴に恵まれ海に映える初日の出を、およそ海岸に市内外から集まった300人以上の人々と拝むことが出来た。松林内で振る舞ったお神酒と甘酒には行列が出来、あわせて松林の保全をお願いすることが出来た。

普及啓発のための教材開発において、今まで「重富海岸」を紹介するツールが存在しなかったため、松林の特徴や歴史、生き物などの紹介を含めた重富海岸リーフレットを作成した。既存の施設「重富海岸自然ふれあい館」のリーフレットと同じ大きさにして、セットで配布できるように工夫した。お客様からは「松林のことが初めてわかった」とのお言葉を頂き、保全に向けた啓発の手ごたえを感じることが出来た。

同時に、子供たちを対象としたマグネット仕様の学習ボードを製作し、重富海岸から松林に生息する生き物のことが学べるように整備した。防潮林(防風林)として整備された松林が、多くの生き物の生息場所になっていることがわかり、なおかつ海の生き物とのつながりもわかりやすく伝えることが出来る教材となった。

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