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花博自然環境助成事業

平成24年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 特定非営利活動法人山の自然学クラブ〔東京都〕
代表者 理事長 大蔵 喜福
事業名 北上南部の自然を活用するための連続シンポジウム実施
事業の実施場所 南三陸、北上南部地域
現地講座の実施場所:北上川河口~志津川・歌津、一ノ関~気仙沼・唐桑半島
事業の実施期間 平成24年4月~平成25年1月
事業の概要 これまで行ってきたインタープリター活動および講座、指導員養成プログラムを発展させ、北上南部・南三陸地域において、「三陸復興国立公園(仮称)」構想を視野に入れた連続シンポジウム+エクスカーションを企画、実施する。伝統産業を組み込み、現地団体や観光協会と協働し、復旧状況に応じた内容で実施する。
成果の要約
  • エクスカーション講師による見学スポットの指定・提案
  • 当会スタッフによる数回の現地調査の実施
  • エクスカーションの実施

この手順で、地質観察ツアーを2回実施した。「地質のものさし/教科書」ともいえるこの地域での地質観察会には、短時間でも得られることが多いことを実感した。地質観察地点は岩場が多く、津波浸水地(低地)と多くの場合は地点が重ならないことも好都合であった。一方、首都圏からの参加者は震災後初めて現地へ行く方がほとんどで、自然観察と同時に被災地の現在の様子を直接肌で感じることができ、その点の意義も大きかった。両回とも、地域の教育関係者にも現地案内をお願いし、同行していただき、現状を伺った。2012年にはまだ、専門家が被災状況を確認したり、資料保存の支援に訪れたりしている程度であって、一般見学者は当会以外ではほとんど見られなかった。今でも現地へ訪れる旅行ツアーの内容は、復興商店街への買い物、被災状況を語り部から伺う、軽めのボランティア活動などを目的としたものがほとんどである。そういう中で、多くの人を集めてのシンポジウムの開催は実施が難しく、見送った。そのかわり現地の協力者・協力団体と小規模なミーティングや担当者研修会を何回か送った。

2011年から2012年の活動を通じていくつかの現地団体と信頼ある協力関係を構築することができた。宮城県七ヶ宿町の特定非営利活動法人水守の郷・七ヶ宿、石巻市北上町十三浜の自治会、南三陸町生涯学習課、気仙沼市の一般社団法人菅原フォユー、気仙沼市の海べの森をつくろう会、ネットワークオレンジなど。来年以降はこれらの団体と共催、もしくは後援していただく形で活動を継続、発展させたい。

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2012.4 魚竜館もと館長の高橋夫妻からお話を聞く
文化財保護や津波の状況など

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北上川河口付近のヨシ原

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2012.4 鎌田講師の熱心なフィールド講座
神割崎・三畳系大沢層

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2012.6 岩井崎 ウミユリの化石

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2012.6 気仙沼・徳仙丈山にて
「海べの森をつくろう会」会長の菅原様とご一緒する

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2012.6 唐桑・小原木(気仙沼)にて
中学校教員の菅原先生に復興に向けた取り組みについて話を伺う