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花博自然環境助成事業

平成20年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 京都ビオトープ研究会〔京都府/京都市梅小路公園〕
事業名 都市域復元型ビオトープにおける自然回復状況のモニタリングおよび環境教育活動
事業の実施場所 京都市梅小路公園
事業の実施期間 平成20年4月~平成21年3月
事業の概要 京都市梅小路公園内に造成された復元型ビオトープ「いのちの森」で生物の詳細な生育状況調査(植 物、鳥類、昆虫類、菌類)を実施した。また同ビオトープでの環境教育活動として一般市民対象の自然観察会を実施した。
成果の要約

[自然回復状況のモニタリング]

植物: 今年度は85科339種の植物の生育を確認した。このうち、今年度新たに記録された種数は5科5種であった。これで今年度までに確認された植物種数は、103科567種となった。
鳥類: 今年度は21科34種(家禽のドバトを含む)の鳥を確認した。近年の年間の記録種数は30種から34種でほぼ安定していた。今年度は新しくアリスイ(キツツキ科)が記録され、今年度までに記録された鳥の総種数は27科59種となった(ドバトを含み、アヒル、sp.を除く)。
昆虫: 12月9日、12月20日に越冬昆虫の調査を行った。その結果、合計20種の越冬昆虫(うち1種はクモ類)が見つかった。そのうち、コウチュウ目では、アカアシノミゾウムシが確認された。チョウ目では、外来イラガ(ヒロヘリアオイラガ)のマユが多く確認され、また、都市地域では希少になった在来イラガについても1個体が発見できた。
菌類: 今年度は担子菌類71種,子嚢菌類7種の計78種が発生した。うち材上に28種,地上に50種発生した。この結果、今年度までに「いのちの森」に293種の菌類が発生し,そのうち担子菌類は275種,子嚢菌類が18種であった。担子菌類のうちヒダナシタケ目56種(材上51種),ハラタケ目196種,腹菌類15種,キクラゲ類8種が発生した。

[環境教育活動]

今年度は、グリーンフェア自然観察会春(5月3日)、秋(10月18日)、親と子の自然観察会(8月23日)、月例自然観察会(各月)の計15回の観察会を実施し、のべ287名の参加があった。
観察会実施時に行なったアンケートには、

  • ここだけでなく他にも出来たら良いと思った(70代女性)
  • 都会の中心部にこんな地帯があるのは素晴らしい(50代男性)
  • みどりに囲まれた自然の中を度々訪れたいと思います(70代女性)
  • 四季折々、また訪れてみたいと思います(40代女性)
  • いつまでも自然のままに残してほしい(60代女性)
  • 自分が育った田舎の事を思い出し、自分自身を見つめることができた(50代女性)

などの声が寄せられた。
以上、観察会実施によって周辺住民の方々へ、野生生物と直接ふれあい、自然の大切さを再認識していただく非常に貴重な機会を提供することができた。

関連成果物(公表した論文、活動の写真等)

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