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花博自然環境助成事業

平成17年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 花卉生産流通システム研究会〔長野県上伊那郡〕
事業名 切り花の日持ち評価レファレンステストマニュアル作成
事業の実施場所 信州大学農学部、兵庫県農林水産技術総合センター、大阪府立大学大学院生命環境科学研究科
事業の実施期間 平成17年4月~平成18年3月(事業全体は平成19年3月まで)
事業の概要 切り花の日持ち保証販売のベースとなるレファレンステストについて、日本の消費環境にあったテスト条件を設定して品目別の品質評価基準を検討し、全国標準のビジュアル版レファレンステストマニュアルを作成した。
成果の要約

家庭での切り花の消費環境を、温湿度を中心に計測した。その結果、大阪における一般的な鉄筋コンクリート製集合住宅におけるリビングルームの温度は、6月から9月下旬まで25℃を下回ることはほとんどなく、相対湿度は40~70%の範囲内で変動した。その後徐々に温度は低下したものの、冬期でも10℃を下回ることはなかった。冬期の相対湿度は夏季よりもやや高く推移した。これらの結果を踏まえ、レファレンステストの標準条件を、温度25℃、相対湿度60%、12時間照明、光強度10μmol・m-2・s-1(床面)に設定した。また、生け水としては後処理剤(美咲50倍液)を用いることとした。レファレンスルームにおける環境設定を含めレファレンステストに関する共通事項について、保持環境(温度、相対湿度、光)、生け水・花瓶(水質、後処理剤、花瓶)、器材(テーブル、給水装置、測定器材)、切り花の調整、切り花の管理と品質チェックとしてまとめた。
さらに、品質評価試験を実施してその結果を基に、品目ごとに品質評価基準、留意点、開花・老化の進行様相(写真)、チェック事項(写真)、品質チェックシートを作成した。なお、アイリス、チューリップ、スイセン等冬半期にしか出荷のない品目では、25℃の評価温度は厳しすぎることが明らかとなり、評価温度を20℃とする必要を指摘した。また、マーガレット、ソリダゴ、キンセンカ等のキク科の品目では、後処理剤中の糖による薬害(葉の褐変、黄変)が生じるため、生け水には水を用いる必要があることを指摘した。  現時点ではいくつかの主要品目でビジュアル化が未完了であるものの、ビジュアル化の完了した26品目について「品目ごとの品質評価基準」としてとりまとめ、「共通事項」とあわせて事業報告書を作成した。また、「切り花の日持ち評価レファレンステストマニュアル(ビジュアル版)」としてCDを作成し、関係機関、団体に配布して利用を促した。

関連成果物

関連成果物(公表した論文、活動の写真等)
平成17年度(財)国際花と緑の博覧会記念協会助成事業報告書
切り花の日持ち評価レファレンステストマニュアル(ビジュアル版)CD