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花博自然環境助成事業

平成17年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) 財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館〔東京都港区〕
事業名 「庭園植物記」展とその関連事業
事業の実施場所 東京都港区白金台5-21-9
事業の実施期間 平成17年4月~11月(展覧会会期:9月3日~11月6日)
事業の概要 日本における植物表現に焦点を絞り、自然観察と写生態度に基づき描き出された江戸末期の植物画から、多彩な表現により植物をとらえた現代の写真作品まで約300点を展示。関連事業として、展覧会会期にあわせ、変化朝顔を栽培・公開した。
成果の要約

展覧会は江戸末期の植物画から現代の写真作品までを「I. 植物を写す画家と写真師」「II. 生活を彩る植物」「III. 描き、撮る科学の眼」「IV. いけばなをとらえる」「V. 現代写真にみる植物」の5章で構成した。展示は観察に基づき描かれ、あるいは撮影された江戸末期から明治初期の作品にはじまり、最後は庭園美術館の建物をいかした現代の写真作品のインスタレーションで飾った。展示では、画家や植物学者の手による植物図、植物をモチーフにした工芸品、いけばなをとらえた写真、そして現代の写真家が表現した植物など、絵画、写真、工芸といった様々なジャンルの作品及び関係資料を一堂に会し、近現代の日本の造型表現において、植物がどのように捉えられてきたかを明らかにするとともに、幕末期に日本に渡来した写真が、どのように絵画などの植物表現と共存し影響を与え、植物学研究に貢献し、いけばなと密接にかかわり、また写真独自の表現を獲得したかについて明らかにした。
変化朝顔の栽培・公開は、変化朝顔研究会の協力を得て、美術館の正面玄関に変化朝顔を植えた鉢を約100鉢並べ、敷地である庭園(約1万坪)内3ヶ所にも、変化朝顔を路地栽培し、来館者が植物そのものにもふれあう機会をつくった。加えて日本の近現代美術における植物表現についての知識を深めることができるよう、会期中に記念講演会を開催した。 出品作品と関連した「変化朝顔」の栽培、公開を通じて、展覧会への理解を深めるとともに、日本の花卉園芸文化の豊かさを広く知らしめることができた。
入館者数 31,381人、1日あたりの平均入場者数 514人

関連成果物

展覧会図録(B5判変形、288ページ)を制作。全出品作品図版、章解説5本、コラム5本、作家解説、総論テキストを掲載。
近現代の日本の造型表現において、植物がどのように捉えられてきたかを明らかにした。

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