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花博自然環境助成事業

平成16年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) みちのく植物研究会〔秋田県南外村/青森県下北半島〕
事業名 東北地方におけるエンレイソウ属の調査研究
事業の実施場所 秋田県男鹿半島、青森県下北半島、北海道全域、秋田県田沢湖町刺巻
事業の実施期間 平成16年7月~平成17年6月
事業の概要 東北地方にけるエンレイソウ属の調査研究、下北半島における多くのオオバナエンレイソウ自生地の特定を計りその動態を探る。オオバナエンレイソウに加え、エンレイソウ、ミヤマエンレイソウ、それらの種間雑種に留意する。東北地方と北海道のエンレイソウ属のあり方を比較、関連を検討する。
成果の要約

オオバナエンレイソウの産地が特定できた。北海道5箇所。下北半島新たに6箇所。カワユエンレイソウの産地も特定できた。
秋田県大館市矢立と青森県大鰐町でヒダカエンレイソウの群落を発見できた。北海道でも発見例は少なくない。
秋田県男鹿市のヒダカエンレイソウ群落は子孫を更新していることがわかった。これは、定説を覆すもので非常に意義深い。ミヤマエンレイソウの欠如も謎である。

下北半島のオオバナエンレイソウは、北海道にはない矮小型が多く存在していることがわかった。また、北海道並の固体サイズと集団も見つけている。また、シラオイイエンレイソウの様な個体群があり、注目される。トカチエンレイソウも見つかっており、本州では2箇所目であるが、大鰐温泉で第3の候補が見つかった。北海道での記録は数例に過ぎない。

今後、コジマエンレイソウとの関連が重要であり、非常に注目される。
下北半島のオオバナエンレイソウ群落はむしろ北海道の産地より自然度が高く、産地の規模も比肩できるほどである。つまり、ほとんど研究されておらない空白地域を示す。北海道とは違った系統が予想される展開が待たれる。

関連成果物(公表した論文、活動の写真等)

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Trillium camchatcence Ker Gawler
オオバナノエンレイソウ
青森県下北半島東通村 May. 8, 2005

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Trillium tschonoskii Maximowicz
ミヤマエンレイソウ
宮城県石巻市 Apr.25, 2005

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Trillium×miyabeanum Tatewaki
ヒダカエンレイソウ
秋田県男鹿市北浦 May.1, 2004