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花博自然環境助成事業

平成16年度助成事業 成果概要の報告

団体名(所在地) みどり研究会〔東京都千代田区/東京都内〕
事業名 社会的企業による「みどり」整備に関する国際比較セミナーの開催
事業の実施場所 東京
事業の実施期間 2004年12月および2005年3月
事業の概要 イギリスのまちづくりトラスト活動の中心人物であるマットランド・ウェストウェイ開発トラスト事務局長、タケット・コイン・ストリート・コミュニティ・ビルダーズ事務局長、ハート環境トラスト副代表を日本に招聘し、国際比較検討会を開いた。
成果の要約

イギリスのまちづくりトラスト活動は、自発的な住民運動を核に、ロンドンで1970年代以降うまれた、まちづくり運動である。ブレア政府のもとで、「社会的企業」として政策化され、イギリスの居住環境改善に、次第に大きな影響を与えるようになっている。

検討会の内容は大きく、(1)まちづくりトラストの活動、財政自立など、まちづくりトラストの全体像にかかわる点と、(2)各事例で、みどり空間の確保と維持管理に、自治体ではなく、第三の道ともいえるまちづくりトラスト=社会的企業が、いかにかかわっているかを論じた点に分かれる。

コイン・ストリートの場合、公園利用を前提とした土地の分譲価格であった故に、テムズ河岸の公園が確保でき、河岸レストラン、駐車場からの収益で、公園の維持管理をまちづくりトラストが行なっている。ウェストウェイ開発トラストの場合は、スポーツセンター経営などの収益系土地利用の利益を、社会福祉サービス、公園の管理に当てている。これらを「事業内費用移転」策として議論した。環境トラストの指導したマイル・エンズ・パークでは「事業内費用移転」「自治体干渉の拒否」に努め、「リング・フェンスト」の原則が貫かれている。

今回は、検討会とインタビューで議論し、まちづくりトラストの活動の全体像を把握できた。そして各事例は、模索する日本のNPOセクターの参加者に大きな知的関心を与えた。

関連成果物(公表した論文、活動の写真等)

みどり研究会(代表・西山康雄・東京電機大学建築学科教授)『社会的企業による「緑」整備に関する国際比較セミナー報告書』2005年3月