Nature’s Services アイランド出版、1997年(英語版のみ) |
人類は、自然生態系から、さまざまな恩恵を得ている。生態系がもらす直接消費できる財である食料、飼料、木材、繊維、燃料、医薬品などの「食糧供給サービス」、生存に欠くことのできない気候安定化、水質浄化、洪水制御、授粉などの「調整サービス」などである。しかし、自然生態系を過度に利用することにより、土地、漁場、森林などが有していた生産性を損ない、生物多様性も失うこととなっている。 |
The New Economy of Nature 出版社:アイランド出版、2002年(英語版のみ) |
これまで、自然資源は無限に存在すると思われていたが、人口の増加、人間の欲望の増大により、そうではないことが明らかになってきた。自然資源すなわち自然生態系の資産というものの重要性と希少性への認識が明らかになってきており、その経済的な重要性も大きくなってきている。
自然資源の枯渇が、現在の人間の生活や将来の子どもたちの生活に脅威を与えかねないものであるため、自然資源を保全することによって、引き続き、自然からの恩恵を確保することが肝要となっている。 |
MANGROVE ECOSYSTEM IN THE RED RIVER COASTAL ZONE 出版社:農業出版、ハノイ、2004年(英語版のみ) |
ベトナムは多様性に富み、生物資源を豊かにさせたマングローブ林を育てた国である。しかし、マングローブが生態系に与える重要な役割を認識していなかったため、大量に伐採され、沿岸地域に住む貧しい住民の生活を脅かした。 |
THE ROLE OF MANGROVE AND CORAL REEF ECOSYSTEMS 出版社:農業出版、ハノイ、2006年(英語版のみ) |
マングローブ林や珊瑚礁といった沿岸湿地帯は生物多様性に富んだところであり、環境やそこに住む人々にとって重要な役割を果たしている。しかし、急速な人口増や、経済開発、とりわけエビ養殖のため北部や中部ベトナムのマングローブが伐採され、珊瑚礁も石炭採掘などによる水質汚濁のため破壊されている。 |
Conservation of Exploited Species(搾取された生物の保全) 出版社:ケンブリッジ大学出版、2001年(ISBN 0 521 78733 5)(英語版のみ) |
裏表紙から「野生生物を、食糧利用をはじめ人間の必要を満たすために利用することは、生物多様性の保全にとっては大きな脅威だが、さまざまな文化圏で多くの人びとが、日々の暮らしと交易を野生生物利用に依存しているのもまた事実である。本書では、世界の専門家の協力により、野生生物の狩猟・採集に従事する人々の多岐にわたる目的と野生生物の生態との相互関係について検証がおこなわれている。理論の検討により、野生生物の持続可能な利用と個体数動態に関する研究とがいかに関連しているかが、野生生物の繁殖率、生活史、習性、生態との直接の結びつきとともに、明らかにされる。個体数動態の研究成果は、野生生物利用が個体群保全におよぼす影響を予測するのに有効だが、野生生物の持続可能な利用と保全にそれが効果的に用いられた実例はほとんどない。なぜ用いられてこなかったのか、本書はその背後にある多くの原因を究明した上で、推定値に不確定要素をどう取り入れるかといった科学的問題や、利用目的をめぐる対立に起因する社会的・政治的問題など、それらの原因にいかに取り組んでいくべきかを検討している。」 |
Conservation in a Changing World (変化する世界の保全生物学) 出版社:ケンブリッジ大学出版、1998年 (ISBN 0 521 63445 8)(英語版のみ) |
裏表紙から「生物の多様性が目に見えて急速に損なわれつつある現在、その保全のために、どのような方法・技術を用い、何を優先的に実行するべきだろうか。このことを選択・決定すべき必要性に、多くの人々が気づいている。保全活動における優先領域を特定するための定量的手法は、生物種分布の研究成果をうけて長足の進歩をとげたが、今後は生物過程に関する知識を保全計画立案に生かしていかねばならない。人間の活動が環境に与える影響は、今後も先例のない形で環境を変化させ続けると見込まれる。本書では、保全計画を立てる際に、環境変化の進行下で生物種が互いに及ぼしあう動的影響をどう扱うかについて、グローバル規模からローカル規模までさまざまな研究成果を活用しながら考察・検討がなされている。保全生物学、野生生物管理、生態学に携わる大学院生、研究者、専門家にとって、本書は貴重な知識・情報を提供してくれるはずである。」 |
Creative Conservation − Interactive Management of Wild and Captive Animals (独創的な保全生物学:野生と飼育動物の管理) |
裏表紙から「絶滅危惧種を飼育下繁殖することと、絶滅危惧種および生息域を野生状態のまま保全・管理すること、この両者の関係は、保全計画の長期的成功の鍵を握る重要な問題である。飼育下繁殖された生物群は野生とどのように関係していくのか、種と生息域を確実に存続させるには何が必要か、種と生息域の未来にどう貢献すべきか。これらはすべて、保全への取り組みが成果をあげることを願う人びとにとって最大の関心事となっている。 |
The Living Elephants: Evolutionary Ecology, Behaviour, and Conservation (現代のゾウ:進化生態・行動・保全) |
裏表紙から「本書は古代長鼻目から現代のゾウまで、進化生物学に基づいてゾウの行動・生態・保護と人間との交流を説明します。その多様な中味は、気温や植物の変化による進化、マストドンとマンモスの絶滅、ゾウの分子遺伝学、ゾウと人間の交流による文化歴史、ゾウの生殖と行動、情報伝達と社会、摂食と植物に対する影響、ゾウと人間の衝突、象牙の密猟に対する個体群動態などにわたり。アジアのゾウ文化といった新しい学説とともに、アフリカとアジアにおけるゾウの長期間的視点による保護政策も提言しています。ゾウ研究の第一人者ラマン・スクマール博士の著書の中で本書は一番徹底したものです。生物学者だけを対象にしたものでなく、自然保護論者、社会学者、歴史家とゾウに興味のある万人向けの書物です。」 |
Elephant Days and Nights: Ten Years With the Indian Elephant(ゾウの日々:インドゾウとの10年間) オックスフォード大学出版(Oxford India Paperbacks)、1995年(ISBN 0-19-56381-2)(英語版のみ) |
裏表紙から「ゾウとインド人との関わりは独特な歴史があります。アジア全域にわたって、ゾウは熱帯林での要となる動物であり、人間の文化・社会・経済に一番大きな影響を及ぼしてきました。しかし、ゾウと人間が衝突することもあり、すぐに解決しなければならない問題です。 |
The Asian Elephant − Ecology and Management (アジアゾウ・生態と保護) ケンブリッジ大学出版、1989年(ペーパーバック版) |
裏表紙から「アジアゾウと人間との関わりは4000年以上の歴史があります。時に、ゾウと人間が衝突することもあり、このことがゾウのかつての生息地であったアジア南部全域でゾウ個体数を減少させる要因となっています。本書は、インド南部のゾウの研究を基に、ゾウと人間との関係に関する生態学的な分析と、ゾウの保 護・管理について述べたものです。 |
Darwin’s Fishes − An Encyclopedia of Ichthyology, Ecology and Evolution (ダーウィンの魚・魚類学、生態学、進化の辞典) |
裏表紙から「本書はチャールズ・ダーウィンによって書かれた魚に関することに基づいて、魚類学、生態学、進化等の観点からまとめられたものである。記事はABC順に載っていて、ある魚の一種や体の一部、化学物質、科学者、場所、進化や生態学の学説等について書いてある。読者は好きなところから読むことができ、色々な情報を探りながら不思議いっぱいの旅に出る。全てはチャールズ・ダーウィンの文章と繋がっている。この旅によりダーウィンの時代と現在の生物学 や生態学の歴史的差異を読者に提供する。 |
In a Perfect Ocean − The State of Fisheries and Ecosystems in the North Atlantic Ocean (最適な海に〜北大西洋の漁業生態系の状態)(ダニエル・ポーリーとジェー・マクリーン) |
裏表紙から「本書は世界の海の生態系を調査するシリーズのひとつです。北大西洋全体を実証的に調べるために著書は伝統的な漁獲データと最新の科学技術を利用し、海洋食物網が非常に変化している状態を明らかにしています。そしてどのようにこの状態まで至ったのかを説明し、海の回復への方向を提案しています。」 |
On the Sex of Fish and the Gender of Scientists (魚と科学者の性別について) Chapman and Hall、1994年(ISBN 0-412-595400)(英語版のみ) |
裏表紙から「ダニエル・ポーリ博士は、一番引用されている漁業生物学者である。本書では、科学的な未知の世界を発見しているポーリ博士の幅広い話題に関して加筆した27のエッセーが集まっています。 |
For Earth’s Sake − A Report from the Commission on Developing Countries and Global Change (地球のために・発展途上国とグローバルチェンジ協会の報告) International Development Research Center、1992年 (ISBN 0-88936-622-5) |
前書きと裏表紙から地球環境の変化と発展途上国委員会は、IDRCとスエーデン途上国協会からの援助を受けて、次の問題意識から設けられました: |
Biology (生物学)(ピーター・H・レーブン、ジョージ・B・ジョンソン) McGraw-Hill Higher Education、2002年 (ISBN 0-07-303120-8)(英語版のみ) |
出版社のホームページから本書は進化をテーマとした、生物学専攻向けの教科書です。1986年に初版を発行し、この度読者、専門家と教授と相談の上、改訂版を発表した。他の教科書と違って、本書は生命多様性をもたらす自然淘汰と進化を強調する。最新の研究を付け加えるだけでなく、最近のコンセプトに応えて本書の内容も変更した。さらにオンライン学習センターとBioCourse.comを通じて教授と学生に豊かな情報を発表する。 |
Biology of Plants (植物学)(ピーター・H・レーブン、レー・F・エバート、スーザン・E・アイクホーン) W.H. Freeman/Worth Publisher、1999年 (ISBN 1-57259-041-6)(英語版のみ) |
出版社のホームページから「植物学専攻の学生にとって本書は主な教材として長く親しまれてきました。特に高度の学術研究、生物の多様性、進化と生態に関する幅広い内容と、優れた絵画や写真でよく知られています。この改訂版は、最新の情報(特に分類学、遺伝学、植物ホルモンやArabidopsisの研究)も豊富に取り込まれています。」 |
Flora of China Series (中国の植物シリーズ)(ウー・チェン・イー・ピーター・H・レーブン) ミズーリ州植物園出版、サイエンス出版 (ISBN 0-915279-34-7) (英語版のみ) |
1999年度の受賞者、呉 征鎰(ウー・チェン イー)博士参考。 |
アーバン・エコシステム:自然と共生する都会 公害対策技術同友会、1995年 (ISBN 4-87489-121-7) |
人工物で覆われた都市の住民は生活しにくさ実感しています。そして都市は自然を対立的にとらえられがちですが、実は都市と自然はその気になれば共生できる、というのが本書の主題です。ランドスケープアーキテクト(造園建築家)であり、環境プランナーである著者は女性らしい着眼でさまざまな事例を拾いあげ、既存の都市の環境 を改善するヒントを提出しています。 |
The Language of Landscape (風景の言語) Yale大学出版、1988年 (ISBN 0-300-08294-0) |
ペンシルバニア大学造園建築学・地域計画学教授である著者は、前作への読者の反応を受けた上で、都市の詩的な局面と自然を記述するべくこの第二作を著しました。基本的構想を展開する中で、景観を正確に記述・成文化するための言語が絶対的に必要だと認識するに至っています。 |
鳥たちの私生活 (訳:浜口哲一、高橋満彦) 山と渓谷社、2000年(ISBN 4-635-59614-1) |
魅力的な写真と興味をそそる記述で愛鳥家を満足させる本です。スペースの約半分を占める227点の写真は小さくても半ページ、さらに1ページ大や見開きのものもあって美しく、なかでも鳥たちの「決定的瞬間」をとらえた写真はその生態を一目瞭然に示しています。一方、440種に及ぶ野鳥の記述は、それぞれの鳥がなぜそのような姿をし、そのように行動するかを進化論や生態学の最新の知見を紹介しながら納得いくまで追求されています。 |
植物の私生活(訳:門田裕一、手塚勲、小堀民惠) 山と渓谷社、1998年 (ISBN) |
肉食動物は草食動物を介して植物を食べているように、人間を含む全生物は植物がなければ一日も生きていけません。このような植物の意外な生態を明らかにしたのが本書である。与えられた環境で穏やかに生きているように見える植物が動物や他の植物を相手に繰り広げる生存競争の苛烈さは動物のそれと少しも変わりません。 |
地中海物語(訳:橋爪若子) 東洋書林、1998年(ISBN 4-88721-179-1) |
原題「ザ ファースト エデン」は地中海世界を人類の最初の楽園に見立てたもので、太古から現代に至るその歴史を博物学、考古学、生態学などの知見に照らして描いています。図版や地図も多く、楽しめる読物となっています。 |
The BBC Natural History Unit’s Wildlife Specials (BBC自然史部の野生動物特集) (前書き: デービッド・アッテンボロー) |
カバー見出しから「本書は世界一魅力的な動物の中からホッキョクグマ・ワニ・ワシ・ヒョウ・オオカミ・ザトウクジラ六種の動物を特集したテレビ番組に基づいています。デービッド・アッテンボローの下で、カメラマンと演出家が撮影したこの番組は最新の研究と技術を生かしてこの生物界のスーパースター達を新しく描写し、かつて撮影されたことがない私生活も明らかにしています。本書はこのユニークな番組を作製した人たちによって書かれたものです:ホッキョクグマに付いて行って、漂ってしまった流氷から救われる体験をしたマーサー・ホームズ、フィリピンの密林を探検して猿を食べる珍しいタカの劇的な撮影をしたマイケル・リチャーズ、オオカミから逃げているバッファローの群に囲まれたマイク・サリスバリー、初めて赤外線で暗い夜にヒヒを狩っているヒョウを撮影したアマンダ・バレットとオウェン・ヌーマン、そして水中、船上と専用飛行船からザトウクジラのダイナミックな魚獲を撮影したアンジー・バイヤットのチーム。 |
The Trials of Life - A Natural History of Animal Behavior (生きものの挑戦:動物行動の自然史) Little, Brown, and Company、1990年 (ISBN 0-316-05751-7)(英語版のみ) |
カバー見出しから「デービッド・アッテンボローの新書と同名TNTテレビシリーズの中から二話を取り上げています:「地球の生き物たち」は生命の誕生から現代まで。そして「生き物たちの地球」は環境がいかに生きものの体を形づくったかにポイントを置いています。今回、「生き物の挑戦」でデービッド・アッテンボローは、生き物がどう言う 風に体を使うのかを調べています:動物行動とその理由。 |
Life On Earth・地球の生きものたち (訳:日高敏隆、今泉吉晴) 早川書房、1990年(ISBN 4-15-203204-9) |
イギリス放送協会(BBC) が数年間にわたって世界各地で収録したフィルムを放映したときのタイトルがそのまま本書の題名となっています。映像を1冊の本にまとめたのはイギリスを代表する動物学者・自然誌学者・映像作家である著者で、生命の起源から人類全盛の現代までの動物の進化の過程が多数の写真とともに手際よく描かれています。 |
The Atlas of the Living World (生命世界の歴史地図) Marshall Editions Developments Limited, 1989年 (ISBN 1-84028-037-9)(英語版のみ) |
カバー見出しから「本書は地球の生物が絶えず変化している世界を明らかにします。動物や植物がどこに住むか、その理由を説明し、その地図によって地域別に自然史を現わしています。この地図を基に、科学者、画家と写真家が最新の知識を総合して、自然界を表現しています。 |
生きものたちの地球 (訳:天野隆司、野中浩) 日本放送出版協会、1985年 (ISBN 4-14-008452-9) |
前書きから「本書はBBCテレビのシリーズ番組をもとに書かれたものです。本書とその番組は、「地球に生きる(Life on Earth)」と題された、前回のシリーズ番組とその本の続編にあたります。前回の作品は、動物や植物たちが過去三十億年にわたってこの惑星の上でどう発展してきたかを描写しようと企画されたものであり、さまざまなグループの動物たちの発展の跡をたどり、それがやがて哺乳類の繁栄につながり、ついには人間の誕 生として実を結ぶまでを追っています。 |
![]() Flora of China Series (中国の植物シリーズ)(ウー・チェン・イー、ピーター・H・レーブン) ミズーリ州植物園出版、サイエンス出版 (ISBN 0-915279-34-7) (英語版のみ) |
本書のホームページから(http://flora.huh.harvard.edu/china/mss/intindex.htm)「中国の植物多様性は非常に高いものです。アメリカとほぼ同じ国土だが中国には2倍の植物種があります:約3万種(世界全種の8分の1)対アメリカとカナダの1万7千種。この3万種の中で8千種の薬草や経済的に重要な植物と7千5百種の樹木や低木があるのです。 |
![]() 雲南の植物I、II、III 日本放送出版協会、1986年 (ISBN 4-14-009901-1 (0-915279-34-7)) |
前書きから「中国の雲南省は、チベット高原、長江以南の亜熱帯平原丘陵、山地とインドシナ半島平原山地との中間の過渡地帯に位置し、自然条件はきわめて複雑多様です。植物種は非常に豊富であり、植物分布はほぼ全てが森林で熱帯林から寒帯林までがそろい、種子植物だけをとっても13,000種余、ゆえに「植物の王国」とよばれています。」 |
![]() 銃・病原菌・鉄 (上・下) (訳:倉骨彰) 草思社、2000年 (ISBN 4-7942-1005-1(上)、4-7942-1006-X(下)) |
人の生活は住む地域によって大差があります。富と権力を握り、高度の物質文明を享受する社会がある一方、数千年来の狩猟採集生活をする人々も残っています。この差は何かという万人の疑問に、生物学、考古学、文化人類学など広範な科学の最新の知見をもとに答えたのが本書で、1998年ピューリッツァ賞、1998年花の万博記念「コスモス国際賞」が贈られました。 |
![]() セックスはなぜ楽しいか(訳:長谷川寿一) 草思社、1999年 (ISBN 4-7942-0876-6) |
人間の性行動はあらゆる哺乳類の中でも特異で、近縁の類人猿とさえ全く違うものです。受胎の可否にかかわらずセックスする、男性が子育てに深くかかわる、女性に閉経があり、その後もセックスする。セックスの目的が生殖と考えると説明のつかないことが多すぎるのです。いわば性の逸脱ともいうべきこんな行動は人類特有の 文化に基因すると思われがちだが、著者はその因果関係を逆転してみせています。一見生物の論理に反する人間の性行動は自分の遺伝子を確実に残すための戦略で、火 の使用や言語、芸術の発展はその延長上にあるといいます。 |
人間はどこまでチンパンジーか? (訳:長谷川真理子、長谷川寿一) 新曜社、1993年 (ISBN 4-7885-0461-8) |
原題の「第3のチンパンジー」とはヒトを意味しており、「人間とは何か」が本書の主題です。アフリカに棲息する霊長類の中からヒトの祖先がチンパンジーの祖先と分岐したのは約700万年前。その後、2足歩行、石器の使用、ヨーロッパ・アジアへの進出と行動範囲を拡大してきたが、現代人が考えるような「人間らしさ」を身につけたのはわずか4万年前だったと著者は繰り返し述べています。解剖学的にいえば10万年前には現代人とほぼ同じクロマニヨン人がアフリカにいたし、近縁のネアンデルタール人でさえ火を日常的に使用していました。しかし、彼らは農業、芸術、高度な技術とは無縁で、その意味ではチンパンジーの仲間にすぎなかったのです。 |
![]() Climbing Mount Improbable (改良可能な山を登る) W.W. Norton & Company、 1997年 (ISBN 0-393-03930-7) (英語版のみ) |
裏表紙から「極めて複雑で正確無比に作動する人間の目のように精密なものが、どうして偶然の産物であるといえるのか」という記述があります。New York Timesが傑作と賞賛する本書は、著者は進化的適応を地球上における生命のメカニズムとして極めて合理的で親しみ深い例証を交えて説明しています。 |
![]() 遺伝子の川 (訳:垂水雄二) 草思社、1995年 (ISBN 4-7942-0672-0) |
地球上で世代を継いで生き延びている遺伝子の川の流れは約3,000万本、つまり生物の種の数だけあります。絶滅した種を含めると30億本にも上るとみられるが、過去にさかのぼるとすべての川が合流していくのです。たとえば人間とチンパンジーの川は700万年前までは同じだったし、さらにさかのぼると各種の哺乳類、爬虫類、果ては最も単純な構造をした生物の流れに行き着くのです。 |
![]() ブラインド・ウォッチメイカー(上・下)(訳:中嶋康裕、遠藤彰、遠藤知二、疋田努) 早川書房、1993年 (ISBN 4-15-207811-1(上)、4-15-207812-X(下)) |
この本の表題は18世紀の神学者ウィリアム・ペイリーの著作に由来します。彼は精密な時計にはその作成を意図した職人がいるように、時計よりはるかに偉大な自然には必ず作者がいるはずだと説くのです。いうまでもなく神のことですが、ドーキンスは時計と自然のアナロジーは誤りであるとし、精妙きわまる生命体をつくったのは何の目的も持たな い自然淘汰、つまり盲目の時計職人であることを論証します。欧米では旧約の創造神話を信じ進化論を否定する人は今でも少なくないし、自然の驚異をよく知る科学者がその故に神の実在を信じる話もよく聞きますが、本書の主張はその対極にあると言えます。 |
![]() 利己的な遺伝子(訳:日高敏隆、岸由ニ、羽田節子、垂水雄二) 紀伊国屋書店、1991年 (ISBN 4-314-00556-4) |
本書は1976年に気鋭の生物学者、ドーキンスによって世に出た「生物=生存機械論」の増補改題版。生存機械論というのは、「われわれは遺伝子という名の利己的な分子を生き残らせるために、盲目的にプログラムされたロボットである」とする説です。従来の生物観や人間観を根底から揺るがし、欧米で思想、教育界 を巻き込んで、大きな議論を呼びました。 |
![]() 延長された表現型(訳:日高敏隆、遠藤彰、遠藤知二) 紀伊国屋書店、1987年 (ISBN 4-314-00531-9) |
遺伝子が生物個体をヴィークル(乗り物)として次々に乗り捨てていく永遠の自己複製システムであるとするドーキンスの「利己的な遺伝子」理論は生物学者から聖職者までの広範な異論、反論を呼び起こした。生物学者の異論の多くは、生命現象の基本が遺伝子ではなく生物の個体にあるという“常識 ”に基づいています。これは個体の各部分が一体的に協調しているためで、彼らは個体の存在理由を何ら疑わず、関心はなぜ個体が集まって社会をつ くるのかに集中しているのです。ドーキンスは逆に、なぜ各種の生命物質が集まって個体をつくるのか、なぜ太古の自己複製子が寄り集まって個体の中に入り込んだか を問います。 |
![]() ラスト・パンダ(訳:武者圭子) 早川書房、1996年 (ISBN 4-15-208021-3) |
「パンダが利益を生むため、なりふりかまわずパンダを利用しようとする個人や団体が出てくる」──。シャラーはパンダ保護の前に立ちはだかる問題の本質は、人間の強欲と無関心だとし、政治、科学両面の関係に光を当てる必要性を強調しています。 |
![]() ライオン、忍び寄る黄金の影 (訳:今泉吉晴、今泉みね子) 早川書房、1990年 (ISBN 4-15-203446-7) |
1960年代後半、タンザニアのセレンゲティ国立公園でライオンの野外調査に取り組んだシャラーが3年間の体験をつづったのが本書。捕食者、獲物動物、人間の複雑な依存関係を具体的、かつ詩情豊かに描き出し、大型野生動物の最後の輝きを伝えます。「この地域が永久に存続するために必要な、人々の理解と興味を深める一助としたい」と記しています。 |
![]() 野生のパンダ(ジョージ・B・シャラー、胡錦矗、潘文石、朱靖)(訳:熊田清子) どうぶつ社、1989年 (ISBN 4-8622-246-3) |
ジャイアントパンダを絶滅から救うためのWWF(世界自然保護基金)と中国の共同プロジェクトの一環として、シャラーは中国の研究者たちとともに、1980年からパンダの生息地、四川省で調査・研究した。その結果を報告しましたのが本書です。 |
![]() Stones of Silence: Journeys in the Himalaya (沈黙の石: ヒマラヤの旅) シカゴ大学出版、1988年 (ISBN 0-226-73646-6) (英語版のみ) |
本書裏表紙より「沈黙の石」は失われつつある環境に珍しい一望を与えます。科学者の目を通して見ながら詩的な言葉で書かれた物語となっています。アイベックス・ヒマラヤタール・マーコール、ウリアルといったヒマラヤの野生の羊や山羊の生息範囲に対する人間の侵入が引起す影響を評価する目的で、著者は1969年から1975年にかけてヒマラヤを旅しました。こうした動物やそれらを餌にする肉食動物についての著者の観察、動物に接近する際の危険な行程の物語が、この山岳地帯が沈黙の石に変わってしまうことのないようにと苦闘を続ける優れた動物学者の興味深い話しとしてまとめられています。 |
![]() セレンゲティライオン(訳:小原秀雄) 思索社、1982年 (ISBN 4-7835-0092-4 (上)、4-7835-0093-2(下)) |
東アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園はライオンとヌー、シマウマ、ガゼルなどの有蹄類の大群がいることで知られています。シャラーはタンザニア国立公園局の招請により、ライオンの生態の研究、なかでも「ライオンの捕食は被食者個体群にどのような影響を及ぼすか」という疑問に答えるため、セレンゲティで3年余フィールドワークに取り組みました。同公園局は有蹄類の保護とライオン個体群の維持に関心を持っていたのです。 |
![]() マウンテンゴリラ(訳:福屋正修) 思索社、1979-1980年(ISBN 1045-0079-3326 (上)、1045-0080-3326 (下)) |
マウンテンゴリラは20世紀初頭まで文献に登場することもなく、その生態については、1950年代の後半まで全く不明でした。シャラーは59年から2年間にわたって、東部コンゴ、西部ウガンダ、西部ルアンダの自然環境の中で、マウンテンゴリラの生態と行動を直接観察し、大型類人猿の謎を次々に明らかにしました。本書はその調査結果を報告したものです。 |
![]() 熱帯雨林を考える(四手井綱英・吉良竜夫監修) 人文書院、1992年 (ISBN 4-409-24035-8) |
「熱帯林破壊と砂漠化は別のもの」「用材の伐採だけでは熱帯雨林はなくならない」──吉良氏は「事実の誤認に基づいた主張は有害だ」として、一般向け情報の中の誤解をこのように正すことで本書をつづり始めます。 |
![]() 地球環境のなかの琵琶湖 人文書院、1990年 (ISBN 4-409-24032-3) |
![]() 水資源の保全(琵琶湖流域をめぐる諸問題) 人文書院、1987年 (ISBN 4-409-24025-0) |
水資源問題は水の量の確保だけではなく、質の保全が緊急の課題になっています。雨水が川や湖に到達する前に、人間からの排出物などによって汚され、水があっても使えない、上水化のために経費がかかり過ぎるといった悩みがあるのです。水質悪化の原因は人工毒物、酸性雨、先端産業の排泄物、発がん物質など様々だが、中 でも問題になるのが富栄養化です。 |
![]() 熱帯林の生態 人文書院、1983年 (ISBN 4-409-24010-2) |
世界に残っている森林面積の40─50%は熱帯林です。植物体あるいは木材の蓄積量でいえば、この比率は60%前後に高まります。その熱帯林が焼き畑をはじめ集団農地の造成、木材伐採などのために急速に失われつつあります。森林を破壊すれば、巨大な炭素の貯蔵庫から炭酸ガスを絞り出すことになるのです。大気中の炭酸ガスの濃度がわずかに増えるだけで、気温を著しく高める。グローバルな環境問題の中で、最も危険率の高いものの一つにつながります。 |
![]() ヒトと森林・森林の環境調節作用 (吉良竜夫、只木良也) 共立出版、1982年 (ISBN 4-320-05258-7) |
森林が人間に与える恩恵は、木材などの物質資源だけではありません。私たちは森林が存在することによって生じる人間生活環境の保全といった目に見えない働きをとかく忘れがちです。環境保全の効果としては、気象条件の緩和、水源かん養、自然災害の防止、防火、騒音阻止、大気浄化、環境指標、鳥獣保護、保健休養、風致 保全、教養・教育と主なものだけで10指を超えます。 |
![]() 生態学入門 (梅棹忠夫・吉良竜夫) 講談社、1976年 (ISBN 4-06-158078-7) |
裏表紙から「科学技術文明の急速な浸透はさまざまところで人間と自然の調和に蹉跌を生じています。公害や自然災害はいったい何に起因するのでしょうか。生物科学と社会・文化科学を架橋すべく脚光を浴びて登場した生態学は今日必修科学の一つであり、地球規模で視点が要求される今日、真の生態学的知識が必要となるでしょう。本書はそう した要請に応えるべく生態学の基本用語を項目別に記述し参考文献を付した、斯界第一人者の手になる入門書の白眉でです。」(以上、出版社の承諾を得て載せています) |
![]() 食の文化史 (訳:山内昶) 筑摩書房、 1997年 (ISBN 4-480-86108-4) |
パリ国立自然史博物館教授の著者は第2次大戦中、16歳の時に強制収用所へ送られました。この時の飢えと栄養失調という過酷な体験から、食に対する強い関心と、食文化は単なる生理的必要に基づく物質文化ではなく、人間の想像力や象徴的幻想の所産だという思想を身に付けました。食べることによって、人間は自然を改 変しながら、同時に自分自身と社会を作ってきたといいます。 |
![]() Bark - The Formation, Characteristics, and Uses of Bark Around the World (写真:ケル・B・サンドベド 本文:ギリアン・T・プランス、アン・T・プラス) |
カバー見出しから「木の花、葉と実についての本は数百冊ありますが、今まで樹皮専門の本がありませんでした。世界中の樹皮の特徴と利用に関するとても興味深い本書です。地味でつまらない木の皮と思ってしまう一方で、人間、昆虫や動物にとって多数利用でき、多様性が高く自然の美しさの一つであるというのを本書が明らかにしています。 |
![]() Wildflowers for All Seasons(四季の野生の草花) Crown Publishers、1989年 (ISBN 0-517-57007-6) (英語版のみ) |
カバー見出しから「北東アメリカの内陸と海岸で毎年咲く野生の草花を代表するアナー・ウォーテックのもっとも美しい作品から129枚を選んで本書に掲載している。」 |
![]() Leaves - The Formation, Characteristics, and Uses of Hundreds of Leaves Found in All Parts of the World (葉っぱ:世界の葉っぱの創造、特徴と利用) |
カバー見出しから「スミソニアン博物館(ワシントンD.C.)の有名な写真家ケル・B・サンドベドは世界を廻って5,000枚以上の葉の撮影を行い、そのうち300枚の写真を載 せた素晴らしい本を発表しました。本文はギリアン・T・プランス、ニューヨーク植物園副園長によって解りやすく本格的に書かれて います。本書は葉に関しての決定版と言えるでしょう。 |