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メイス博士は、これまで一貫して生物多様性の保全に国際的な立場から貢献してきた。
人間の活動により、この地球上から多くの種が失われ、また失われつつある今日、メイス博士は、IUCN(国際自然保護連合)の種保存委員会、基準検討ワーキンググループの座長として、「絶滅危惧種を特定する基準」を立案し、同連合の「レッドリスト」計画議長として、リストの作成を指導した。これは従来行なわれてきたものに代わる科学的アプローチによる価値判断である。
この「絶滅危惧種を特定する基準」による「レッドリスト」は、地球全体の生物多様性をどう維持するかについての様々な国で採用可能な単一のシステムであり、様々な種が置かれた状況を最も総合的に捉えたものである。さらに、メイス博士は、同リストをもとに、絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引を規制した「ワシントン条約」の履行に際して、税関検査官などによって利用されている運用規則の主要な立案を行なった。
「レッドリスト」は、国際的な関心を高め、普及し、現在では多くの国や自治体、学術団体などによってレッドリストが作られるようになった。
一国の行為が他の国の生物多様性に影響を及ぼすことの多い今日、国際レベルでの協力は不可欠であり、メイス博士のこれらの研究・業績により国際協力のための強力な枠組みが作り上げられた。
2002〜2005年にかけて国連が主導して、世界規模での資源調査である「ミレニアム・エコシステム・アセスメント」が行われた。この報告書の作成に中心的な役割を果たしたメイス博士は、鳥類の12%、ほ乳類の1/4、両生類の1/3が絶滅の危機に直面し、このまま人類が活動を続けるなら2050年までに天然資源の10-20%が失われることを指摘した。
天然資源の急速な利用は、短期的、局所的には利益をもたらすかもしれないが、長期的、地球的視点に立った場合には決してプラスでない。このことは、2002年にヨハネスブルグで開催された「世界サミット」での190カ国による「2010年までに生物多様性の喪失速度を現在よりも遅らせる」合意に見ることができる。メイス博士は現在、生物多様性とそれがもたらす生態系サービスの評価法確立や、生物多様性変化のレッドリスト・インデックスによる試算に関する論文などを、他の研究者と協力して次々と発表し、「2010年目標」に向けて精力的に活動を続けている。
メイス博士の全地球的な取り組み、生態学、遺伝学、数学的モデリング、政策を融合させた統合的かつ包括的なアプローチ、さらに絶滅のリスクを削減する長期的ビジョンは、コスモス国際賞の授賞にふさわしいと評価した。
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