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ジョージ B.シャラー博士は、1962年にアメリカ・ウィスコンシン大学で動物学の博士号を取得、その後30余年にわたって、野生動物たちの生々しい生活を研究し続けてきた、国際的な学者の一人である。その業績は、数多くの科学論文として発表されたばかりでなく、それらを集大成した著書は、世界各国で翻訳されて高い評価を得ている。
博士の特色は、ゴリラ、ライオンをはじめとする人間に最もなじみ深く、従って、人間の行為によって大きな影響を受けている野生動物たちに目を向け、アフリカ、アジア、南アメリカなど、地球全域を対象に、精力的な調査、研究を行ってきたところである。
博士が研究の対象とした野生動物は、ゴリラ、トラ、ライオン、野生のヤギ、ヒツジ、ジャガー、ユキヒョウ、パンダなど、多種類にわたっている。そして、それらの動物のほとんどが主として人間の行為によって数を減らし、あるいは絶滅の危機にさらされていることを、綿密な現地調査に基づく研究によって学問的に立証した。
シャラー博士は、これらの成果を、学問の世界でのみならず、広く一般の社会にも知らせるために、1963年に名著「マウンテン・ゴリラ:生態と行動」を出版したのを始め、1972年に「セレンゲティのライオン」、1985年に「ウォロンのジャイアントパンダ」、1993年に「最後のパンダ」など一般向けの著書を次々に刊行した。
これらの著書の中でシャラー博士は、彼の長年の労苦によって明らかになったそれらの動物たちの自然の中における生き方をありありと人々に伝えることによって、動物が生き残るためには何が必要かをはっきりと提示し、人間が他の生物と共生するためには、人間が他の生物が存在することの必要性を理解し、自分たちが果たすべき役割について、深い科学的理解と倫理観を持たなければならない、と訴えている。
シャラー博士の研究は、各国の動物学者だけではなく、全世界の様々な人たちにも強い刺激を与え、多くの野生動物の行動や動物に関する幅広い研究の発展を推進しただけではなく、世界各地で絶滅の危機にある動物を救おうとする人々を大いに励ますことになった。それは、人間と野生動物との関わりを考える上で、極めて大きな貢献をもたらしたといえる。
また、シャラー博士は、子供たちが自然に目を向けるためのわかりやすい解説書として、1969年に「トラ: その野生の生態」、1977年に「ライオンの驚異」を刊行している。学者から一般社会人、そして子供たちまで、各世代、各界層に目配りした著作によって、科学者としての立場と、大衆向けの活動を両立させていることも、彼の際立った特色といえる。
動物学者として多くの近づき難い野生動物の生活の全容を明らかにする国際的な業績を挙げていること、常に全地球的な視野を持ち、包括的な取り組みで研究を続け、その成果を全世界に発表して、極めて多くの人たちに強い感銘を与えていること、研究の成果が、人間と自然との共生へ向けて、従来の自然保護運動のあり方を含めて、新しい視点と倫理観をもたらす国際的な貢献をしていることなど、ジョ
ージ B. シャラー博士の業績は、コスモス国際賞がめざしているものと合致しており、受賞者としてもっともふさわしい人物ということができる。
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